ざわゾンビ

三代目襲名のざわゾンビのレビュー・感想・評価

三代目襲名(1974年製作の映画)
3.8
高倉健が山口組の3代目組長である田岡一雄を演じ、戦後の動乱を経て台頭する新世代のヤクザ産業を描いている。

鑑賞後に改めて色々と調べてしまったが、この田岡一雄という人がまぁスゴい。
神戸が日本有数の港町として栄えているのは、この人の尽力に依るところやなんて、びっくりびっくり。

あとプロレスもね。
もともとヤクザの興行であるというのは知っていたが、海のものとも山のものとも分からんやった時代のプロレスをモノにして、日本プロレス協会副会長に就任するレベル。敏腕ビジネスマン。

加えて、動乱に紛れて暴れ回る三国人を自警団としてシバき回す側面もあり「弱きを助け、強きを挫く」を体現していたんかな、この時代のヤクザは。なんて。
仁義に溢れてて、カッコよかった。

文太兄ぃのヤクザものが大好きな僕ですが、健さんもやっぱりカッコいい。
この人はどこか役者的というか、健さんという像がしっかりと立っている感じの演技をいつもしとる印象。
まぁ役柄もあるんやろうけどね。

他の出演陣でいくと、渡瀬恒彦はやっぱりカッコえぇ。向こうっ気が強そうで、声もシブい、ホンマに好きな役者さん。

田中邦衛のカタコトは妙に板に付いてて笑ってまう。仁義なき〜に染まってると、いつかこいつ背中から刺しに来よるぞ…なんて思っちゃったり。

そんな中でも特筆すべきは安藤昇。
啖呵と目力がガチ過ぎてもう怖い笑
モノホンの空気がビシビシ出てる。
こんなん気圧されるわ。

作品はここから山口組の快進撃が始まる!といった、打ち切り漫画さながらのラストで幕引きだが、この後の展開を映画としてすげぇ観たい。同じキャストで。
無いんかな…無いんやろな…