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キング・コングのtakのレビュー・感想・評価

キング・コング(1933年製作の映画)
4.1
キングコングが登場する映画を初めて観たのは、「キングコング対ゴジラ」だった。その後がジョン・ギラーミン監督の1976年版。小学生だった僕には強烈なインパクトがあった。なんかすげえもんが出る映画だとわくわく。オリジナルの1933年版は大学時代に劇場で観るチャンスがあったが、フラフラッと別なSF古典(「遊星よりの物体X」1951年💧)を選んでしまった。いつかコングのオリジナル観なきゃ…初めて観たのは20代後半だった。

被写体を少しずつ動かして静止画を繋げていくストップモーションアニメ。その動く怪物が人間と画面に一緒に映っていることが革命的だった。映像技術というのは年々発達するものだから、古い映画は時代性を考えて観るべきだ。だから簡単に「ショボい」と切り捨ててはダメ。それは歴史そのものなんだから。この「キングコング」がなかったら「ゴジラ」もなかったはず。コングが列車を襲う場面で、そんな思いを強くする。

改めて観ると人間ドラマに無駄がない。ヒット作を撮りたいだけの映画監督、愛情に目覚める無骨な海の男、未開の民族を見下す白人のエゴ。製作当時は世界恐慌がまさに起こった頃だから、特に失業女優が上手い話にまんまと乗せられるのは、観客が共感できる部分だったかもしれない。南海の孤島で見つけた怪物を連れ帰って見世物にするストーリーも、「モスラ」などに引き継がれる王道パターンとなる。リメイクを重ねてもこうした基本線が変わらないのは、いつの時代にも通ずるテーマ。

日曜洋画劇場で76年版が放送された回。淀川長治センセイは本編前の解説で、ずーっと33年版「キングコング」の話をしていた。
「こんなすごいの、あんなすごいの。怖いねー。さて、今夜はその76年リメイク版。後でまたお会いしましょうね。」
→ 本編開始
→ 「さよなら、さよなら、さよなら」
結局放送された76年版にはひと言も触れなかった😮。きっと嫌いなんだろうw

ちなみに私、2005年のピーター・ジャクソン版大好きです。虫のシーンは早送りするけどね💦

2022年12月手持ちDVDで再鑑賞。
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