みゅうちょび

猟人日記のみゅうちょびのレビュー・感想・評価

猟人日記(2003年製作の映画)
3.3
ずっと観たかったやつがU-NEXTに登場。ほんとツボ押さえてくるー!

若き日のユアン・マクレガーが百戦錬磨で女をモノにするクズ野郎を演じた本作。

これって、ほんと俳優陣の演技力無くして成り立たないような作品でした。

バージと呼ばれる平たい船で生活する一家の下で寝食を共にしながら運搬の作業員として雇われている青年ジョーがある日運河で下着一枚の若い女の死体を発見。引き上げられた死体を優しく気遣うジョーには秘密が…

想像していたのと全然違った。

正直言って、面白いような面白く無いような…なんかよく分からない感覚。

狭い船の中で寝食を共にする冷め切った夫婦とイケメンの若い男…水の中のナイフっぽい。

夫に不満を抱えた妻を演じるティルダ・スウィントンのなんとも言えないトゲトゲしさ(綿棒ではなく楊枝みたい)とティルダならではなインパクトの強さで、この2人の関係に焦点を合わせて、あーこれからどうなるんだろうーって凄く興味を惹かれているところに、問題の死体の女性の素性…

最初から若干察しはつくものの、ティルダの残す印象が完全に勝ってしまい、ティルダとは真逆のキャシー(死体)とジョーの関係性をどんな特殊に描いていてもなんか薄くて…

おまけに、この映画で描かれるのは、ジョーと言う男のエゴイズムで、女達のヒモのような生き方しか出来ないクズなくせに、小説家を気取って何者にもなれず、僅かに「何者か」になれるかもしれなかった事態も彼を素通りしていく。

最初のティルダとの関係がスリリング過ぎて、後々の展開が全然スリリングじゃ無いし、そこに着地かーとなる。

ユアンは役柄的に凄くハマってたのでとても残念。

悪魔ですらこのクズ男を鼻にもかけないと言う結末そのものは好き。
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