教授

オースティン・パワーズの教授のレビュー・感想・評価

オースティン・パワーズ(1997年製作の映画)
-
前半は面白く観たのだけど、途中で飽きてしまった。
観てわかる通り「007」シリーズのパロディを全開にして、1960年代の「スウィンギン・ロンドン」讃歌なサイケデリックなビジュアルを取り入れてポップでオシャレなビジュアルに仕上がっている。
…という具合で、それ以外には特に何も思うことがない。

多分…オースティン・パワーズを演じるマイク・マイヤーズがあまり好きになれないのだと思う。
乗れそうな心地よいビジュアルに対して、どうしても彼の「ベタ」な笑いに鼻白んでしまう。
作品の良し悪しではなく、好き嫌いの部分で「笑い」の間とテンポが自分の全く噛み合わなかった。

というのが、個人的に「面白さ」を感じるのは大概において「間」であったり「テンポ」であったりする。
それを言語化するのは難しいのだが、本作のギャグには、その「間とテンポ」を重視した演出が施されているとは思えない。
言うなれば笑わせ所が「出オチ」のような笑わせ方であり、その割にはネタの鮮度が視点がベタ過ぎてガッカリしてしまうのだ。

だからこそなのか、個人的に面白く感じたのは、まさに「007」シリーズのパロディ的なシーンに特化していて、且つそのディテールが再現されているところに限られてしまう。
それはDr.イーブル(マイク・マイヤーズ)がブロフェルドと明らかにわかるビジュアルであったり、アロッタ・ファジャイナ(ファビアナ・ウーデニオ)と日本風の風呂のディテールであったり、あまりにもしょうもない「胸毛」であったりである。

ただ残念なことに、往年の「007シリーズ」自体が壮大な大金を注ぎ込んだコントみたいな映画シリーズなので、やはりパロディとしては向いていない題材なのかもしれない。
教授

教授