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レインメーカーの440のレビュー・感想・評価

レインメーカー(1997年製作の映画)
3.9
コッポラ作品にしてはクセ強キャラ少な目の正統派エンタメ法廷劇。

斜め上をいく展開やどんでん返しがあるもんだと全く自分勝手な期待をして観てしまうという大変失礼な事をしてしまった。
とても硬派で完成度の高い人間ドラマでした。

新米弁護士が悪徳保険会社と戦うお話。
弁護士が溢れる街で後ろ盾もなく、知り合いの紹介で入る事務所。
志を強く持ち、正義感の強い若者が劣勢になり、徐々に手段を選ばなくなっていく様は結構ハラハラしたなぁ。

各エピソード手抜き感やムダは無く、クライアントとの関係性や背景、人物描写が丁寧に描かれていて、心をグッと掴まれる部分が多かった。

白血病の男の子と家族、夫からの暴力で逃げ場を失う女性、遺産の件で子供と争うおばあちゃん。
助けてあげたい気持ちに伴わない現実の厳しさ。
新米だからこそ引き出される前向きな挑戦とパワー。
金銭面の問題も含め、現実の厳しさを痛感し考えさせられる作品でした。

悪徳弁護士みたいなボスのミッキー・ロークと相棒のダニー・デヴィートのキャラは個性的で面白かったなぁ。
大好きなクレア・デインズも素敵な演技をされていました。
キャスト最高!

マット・デイモン扮する弁護士が全て終わった後にする決断。
これもまたなんとも言い難く、胸を締め付ける選択。
観終わった後の余韻と充実感を感じる作品でした。
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