ゆうゆ

マグダレンの祈りのゆうゆのレビュー・感想・評価

マグダレンの祈り(2002年製作の映画)
4.0

性に纏わる'堕落した女' を監禁する アイルランドに実在した更正とは名ばかりの虐待収容施設。そこに理不尽に強制入所させられたマグダラのマリアたち

レイプされ"汚れた"子
未婚のママ
将来 性的に道を逸脱しそうな美人な孤児、
信じられないような経緯で娼婦扱いされ身近な人達に突然連れてこられた少女たち。
秘密のベールに覆われた施設の暮らしは凄まじい虐待が横行し あまりにも非人道的かつ屈辱的でぞっとする。
囚人のような厳しい生活、蔑まれ 洗脳にも似た呪縛に一生閉じ込められた罪のない女性たちの嘆きを神さまはどんな顔で見つめていたのだろう。

この主要登場人物たちのドキュメンタリーを観ると、今作で彼女たちの苦悩が忠実に再現されていたことに驚く。映画のあとの彼女たちに開かれた人生には あの施設での深い傷痕が未だに消えることなく鮮明であることが伺え 精神的には一生囚われの身であるかのようだ


「思秋期」でやさぐれおやじを演じたピーターミュランの監督作品。本人も脱走した娘の父親役で出演。言い方に語弊はあるかもだけど 内容はキツイのにテンポがよく、人物描写や時系列も分かりやすくて終始惹き込まれる面白さだった
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