ユースケ

007/カジノ・ロワイヤルのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

光学迷彩装置によって消えるボンドカー、DNA変換療法によって変わる人種、人工衛星からのレーザー攻撃によって焼き尽くされる38度線など、行き着くところまで行き着いてしまった【ダイ・アナザー・デイ】から4年。
ダニエル・クエイグ演じる6代目ジェームズ・ボンドの初陣となる【007】シリーズ第21弾は、1967年に公開されたコメディ映画【007 カジノロワイヤル】をシリアスに仕上げたリメイク作品であり、ガンバレルもヤリチンも秘密兵器も封印し、ジェームズ・ボンドの初仕事をリアルに描いた【007】シリーズ初のリブート作品。
シリアスなジェームズ・ボンドは有りか無しかは別にしてこれまでの【007】シリーズとはダンチでレベチのクオリティです。

とりあえず、主人公とは思えない強面でマッチョなジェームズ・ボンドが便所でステゴロを繰り広げる姿をモノクロで描いたアバンタイトルから殺る気満々なのですが、本作のメインイベントであるポーカー対決が仕事の失敗で生じた損失を博打で穴埋めしようとするル・シッフル(マッツ・ミケルセン)とイギリス政府の金で博打を打つジェームズ・ボンドの博打狂い同士による裏工作一切なしのガチンコ勝負で何がリアルで何がリアルでないのかよくわからないし、ヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)とソロンジュ・ディミトリオス(カテリーナ・ムリーノ)というエロいボンドガールが二人もいるのに、ジェームズ・ボンドが水着姿を晒す意図もよくわかりません。

みどころは、殺しのライセンスを与えられたばかりの新人ジェームズ・ボンドのドジっぷり。
エロいドレス姿のヴェスパー・リンドに見惚れてたり、ポーカーで負けて頭に血が上ってウォッカ・マティーニをシェイクするこだわりを捨てたり、ル・シッフルをナイフで刺し殺そうとしたり、挙げ句の果てには毒を盛られ死にそうになったり、ポーカートーナメント中のジェームズ・ボンドには優雅さのかけらもありませんが、荒削りな感じがまたりません。
駐車係と勘違いされた腹癒せに車をぶつけるシーンと敵が仕掛けた爆弾をこっそり敵のズボンに仕掛け直して自爆させてニヤニヤするシーンは要チェックです。

更に、全裸に剥かれ、底の抜けた椅子に縛られ、ちんこを縄でバシバシ打たれる性器拷問シーンは必見。
「ちんこがかゆいから掻いてくれ」とはったりをかまし、「やめろ!そこじゃない!」「もっと右だよ!もっと右!」「そこだよ!そこだ!」と叫び、笑いながら痛みに堪えるジェームズ・ボンドに萌え死に確定です。

なんだかんだ言ってきましたが、一番のみどころはオープニングのパルクールを駆使した追跡劇だったのかもしれません。しかも、追いかけるジェームズ・ボンドではなく、追われるパルクール創始者のひとりであるセバスチャン・フォーカン演じる爆弾魔モロカがね。

ちなみに、エヴァ・グリーンやカテリーナ・ムリーノよりル・シッフルの女を演じたイヴァナ・ミルセヴィッチにZokkon命です。