ゆみモン

大阪物語のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

大阪物語(1999年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

14歳の長女役の池脇千鶴の存在感が光っていて素晴らしい。(実際は18歳だったそうだが、中学生にしか見えない。)
沢田研二と田中裕子はさすが息の合った演技で(当然か)、リアリティー溢れる夫婦漫才師を演じている。
ジュリーは、自身が「ダメ中年を演じたい」と言っていた通り、救いようのないクズ男を見事に演じている。クズなのにどこか可愛げのあるあたり、まさに「憎みきれないろくでなし」だ。(→これが後の『キネマの神様』でのダメジジイ・ゴウに繋がっていく)
最後にりゅう介(ジュリー)が死んでしまうなんて…。もう一度夫婦で漫才師として復活してほしかったなぁ。
りゅう介のお葬式のシーンでの田中裕子の演技が圧巻だ。漬け物を齧りながらお茶を飲み、冗談みたいな墓について泣き笑いしながら語る…。

私はジュリーのファンなので、その視点で観てしまったが、この作品は、池脇千鶴演じる若菜の成長物語である。