コハク

アメリのコハクのレビュー・感想・評価

アメリ(2001年製作の映画)
3.6
“La vie n’est que l’interminable répétition d’une représentation qui n’aura jamais lieu. ”「人生は果てしなく書き直す未完の小説だ」

「そこにいる人との関係はどうでもいい、いない(absent)人との方が大事だ」という少女。他人に対して隠れた天使として奇跡をもたらすことは簡単であり、それでこそ世界との関係を調和にあふれたものとして切り結ぶことができる。しかし自分に対して奇跡を生み出すことはできない。奇跡は常に100%成功するのであり、奇跡を生み出せないということは失敗する可能性を受け入れることである。「人生は果てしなく書き直す未完の小説だ」と売れない小説家のセリフをアメリが理解したとき、彼女はようやく自分で自分の人生のために自分を動かせるようになる。

この映画の音楽、色彩ともに大好きだが、コメディタッチの安易な表現(近年のフランス映画にありがちで大変嘆かわしい)が目立つのが個人的に首肯できないところである。
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