そう、我々は見てしまった。
『コロッサル・ユース』という、世界の本当の姿を見てしまったのだ(2年ぶり2度目の鑑賞)。
後はワインと睡眠薬を一緒に飲んでベッドに倒れこんでしまうか、それとも、ペドロ・コスタのように、全てが無駄に終わると知っていたとしても出来うるかぎりをひたすらやり続けるかどちらかなのだ。
あまりに当たり前すぎて気が付かなかったが、この『コロッサル・ユース』という映画のタイトルはヤング・マーブル・ジャイアンツのアルバムから来ているらしい。
なるほど、この映画の極端かつ奇妙なミニマリズムはヤング・マーブル・ジャイアンツのアルバム名をタイトルに冠するにふさわしいものだろう。
しかし構図が良いとかいざという時にパンするあたりストローブ=ユイレっぽいとかミニマルであるとかは言えても、それはあくまで部分の問題であり、この映画の異様さ自体を言語化することは非常に難しい。傑作。