あばばば

愛のむきだしのあばばばのレビュー・感想・評価

愛のむきだし(2008年製作の映画)
4.5
四時間とかなりの長丁場だったけど、B級感すら漂うめちゃくちゃすぎる緩急、ベートーベンの格式高い挿入歌、ゆら帝の最高すぎる曲たち、毎秒かわいすぎる満島ひかりの鬼気迫る演技、安藤さくらの怪演でマジでずーっと楽しめました……全部の要素が好き……
最近読んだ山田詠美の初期作の解説に「公序良俗の対極に位置する不道徳な作家のように思われているが作品を一読すれば現代に稀なモラリストであることがわかる」というようなことが書かれててなるほどと思ったのだけど、この映画にも近しいものを感じた。なにかを描くためにはその真逆から走り出さなきゃならない。深作欣二が暴力を描くことで暴力を反対すると言ったみたいに。冒頭の導入を裏切るくだらなさと表裏一体の誠実さ、純愛とエロ、純粋と狂気……こういう突き抜け方でないと描けないものってあるよなあとしみじみ感じました。
というわけで映画納めは愛のむきだしで、今年観た映画は106本でした!来年も100本ノックやるよ〜
あばばば

あばばば