西部劇において先住民の扱いがただ脅威を演出するための舞台装置としての野蛮人でしかなかった時代にあって、先住民の内面に踏み込み白人以上に高潔な存在として描いた先進的な映画。
そういった意味では非常に意義深い映画であるとは思うのだが、先進的であるがゆえに今の目から見ると逆に気になってしまう部分も多い。
本作で主役級の扱いのアパッチ族の族長コチーズは過度に理想化された先住民像を押し付けられたような感じで、あまりに物分かりがよくて話を動かすのに都合のいい存在になりすぎている。
ジェームス・スチュワート演じる主人公が先住民の少女と恋に落ちるという展開も微妙に厭なエキゾチシズムが見え隠れする気がしてすっきりしない。