<概説>
街を追放されたはぐれ者達を乗せた馬車をインディアンが襲撃する。アル中・賭博師・酒商人といった非戦闘員がほとんどの状況から、彼等は窮地を脱することができるのか。映画史において今も重要な位置を占める歴史的傑作。
<感想>
この時期の作品はまださほど見ていません。ですから知った口をきくのは控えて、ひとつだけ私が大好きな点を。
この時期の作品は"観客に過度にかけられたストレスを最後発散して大団円!終わり!"というここ何十年のテンプレから外れているのがいい。
銀行家ゲートウッドの姿で思ったのです。
「『12人の怒れる男』の3番陪審員かよ」
とにかくストレスフルなキャラクター。できる限り画面にでてきてほしくない。画面の隅で座っててほしい。
しかし悲しいかな。近年はそんな悪玉が最後まで残る。
観客が悪玉がやられて喜んでいる時でも、私だけいつも快と不快の天秤がつりあわずに戸惑っていました。もっとストレスをかけずに悪役表現はできたのではないかと。
その点ゲートウッドは実にどうでもいいところで退場する。
勧善懲悪はきちんと盛りこみながらも、もっときちんと爽快感のある物語の結で締める。そんな胃の痛くなるようなものばかりを見たくて映画を見てるわけじゃないという、私のような偏屈な観客でも満足できるストーリー。
ストレスからの解放ではなくて、物語で魅せる。
なるほどその点において名作だなと、点数は控えめながらも世評の高さにうなずきました。