明石です

その男、凶暴につきの明石ですのレビュー・感想・評価

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)
3.8
犯人逮捕のためなら暴力も辞さないパワー系刑事が、新人刑事とコンビを組んで麻薬密売組織に立ち向かうアンチヒーロー物の作品。北野武の監督デビュー作とのことで、北野映画をこのたび初鑑賞しました。この監督の作品群には、とってもハマれそうな予感です。

冒頭からホームレス狩りをした少年に鉄拳制裁を加え、自首しろと脅す武兄貴カッコ良過ぎる。それから証拠のでっち上げによる別件逮捕、監禁、拷問、発砲と(自分なりの)正義を貫くためならどんな汚いことでもする男。犯人を逮捕するかわりに車で(2回も)轢くシーンは笑っちゃった。あとホシが口割るまで、機械みたいにひたすらビンタし続けるシーンも好き。

北野武って私が物心ついてTV見始めた頃にはもうお腹出てる結構なおっちゃんだったけど、本作みたいに背筋がピンと伸びてる頃の武さんはこんなに格好いいのね、、思ったより背が高くてシャキッとしておられる。以前何かのインタビューで、俺は猫背なだけで背筋伸ばしたら170cmあるんだからな!と仰っていた記憶がありますが笑、本当にそうなのだろうなと思う。まあ貫禄があり過ぎてそんなのは些細なことですが。

「どうして警察官になったんですか?」
「ん〜?友人の紹介」

「始末書書いたんですか?」
「書いたよ〜、お前の名前で」

こういう軽いジョークが間あいだに挟まってくるから飽きずに見れた。本業が芸人の方なだけあってさすがの面白さ。あとラストは凄まじかった。。そこに引き金引くの?からのアナタが黒幕だったの?という二重の驚き。こんな衝撃的なエンディングの作品、ほんと久しぶりに見た気がする。半年に一度の衝撃。北野映画の世界観にはどっぷりハマれそうな予感を感じてるので、これから立て続けに何本か見てみようと思う。
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