恥ずかしながら北野武監督作を初鑑賞。(小声w)
まずはデビュー作。
凶暴な一匹狼の刑事、我妻(ビートたけし)とヤクザの仁義なき戦い。
コメディアンとしての絶頂期にこんなクールな映画を撮ってたなんて!
バイオレンスの連続ではあるものの、ただエグいというより静謐な印象が強かった。
余計な説明をせずドライで、メルヴィルのフィルムノワールなんかを思わせるムード。
序盤、署へ向かって歩く長いシークエンスは首から上をカットするフレームワークが斬新。
その他も即興的な演出や恣意的な編集かなと思わせる作りがまさにヌーヴェルヴァーグみたい。
その歩くシーンで初めてかかるのが、サティの『グノシェンヌ第1番』を大胆アレンジした『我妻のテーマ』。
この劇伴は本作の大きなアート要素だと感じる。
パーカッションが我妻のぶっきらぼうな歩調と絶妙にマッチしているし、
弦がかき鳴らす旋律はなんともいえないデカダンスと不気味さを強調してて。
そして何よりポーカーフェイスで暴力をぶちかますたけしがものすごくカッコいい!
戦メリのニコニコなハラ役もとても印象的だけど、キャラが180度違う。
トイレでの容赦ない連続ビンタ
至近距離で真正面からの発砲
この2つが特に好きなバイオレンスシーン。
過剰な演出なく生々しいし、間合いも絶妙というか。
あと、本筋と関係ない何気ない人間描写もリアリズムしてる。
台詞なしで自分の席に座って煙草に火をつけるまでの一連の動作のロングテイクとか。
基本無口でハードボイルドだけど、随所のやりとり(相棒や妹のセフレとの)でハズシも感じて思わず笑ってしまった。
でもそれもユーモアというよりラストの感情に向けての仕掛けだったのかな…?
見えない敵にマシンガンをぶっ放せ
愛せよ 目の前の不条理を
憎めよ 都合のいい道徳を
薄々気づいてはいたけれど、北野武のアーティスティックなセンスは合う気がする。
世界のキタノ、語れるようになりたいな。