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青い青い海のmareのレビュー・感想・評価

青い青い海(1935年製作の映画)
4.0
白黒でもこんなに煌びやかだから、カラーで観たら美しすぎて気絶しそうな青い青い海。二色表現に限られている分、光の粒、乱反射が際立ちより克明に忘れがたい光景となる。そして男女三人によるシンプルかつジェラシーを燃やすラブコメが展開され、視覚だけでなく身近な感受性も満たしてくれる。一目惚れからその結末に至るまで、誰にでもわかる道のりさえ提示してくれていれば映画は成立する。そしてその恋愛物語の中に苦難を描くことも抜かりなく行われ、さざなみの日もあれば荒波の日もあることを優しく見せてくれる。人生の縮図と言っても過言ではない。若さを取り戻したくなるし、ピュアで一途なバルネットの眼差しを感じる瑞々しい夏映画の傑作。
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