クレミ

推手のクレミのレビュー・感想・評価

推手(1991年製作の映画)
4.3
アンリーのお父さん3部作コンプリート!
人と人との不和を描くのが本当に上手い監督。

アメリカという国に馴染めない中国人の老人、アメリカで結婚した息子、アメリカ人の嫁。互いが互いの文化を受け入れられず、家族はどんどん険悪になっていく。父の選択、息子の夢、嫁の後悔。2人揃って初めて成り立つ「推手」は、人と人とがバランスを取り合い、共存し、時に突き放し、まさにこの作品のテーマを端的に表している。

アンリーは、人間や文化が完全に相入れることはないと認めた上で、逃げずに向き合い、それぞれがそれぞれの答えを導き出そうとする様を描いているからとっても好き。その結末は時に苦しいけれど、それもまた人生なのだと思える。
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