言われなければエリック・ロメールとは思えなかった。
主人公の凡庸さ、学芸会のような安っぽいセット、一人称と三人称を混同する登場人物たち、突然のアニメーションや聖書の引用に滑稽さを感じざるを得ない。だがロメール自身が言うように本作が中世絵画や演劇の表象を受け継いだ記録映画なのならば、バザンのリアリズムを深い意味で踏襲していると言えるし、また滑稽さの原因は中世芸術と現代の芸術の表象モードにおけるパラダイムの違いにあると言えるだろう。だからこそ、私が気づけなかった意図された表現もあったに違いない。
とはいえ面白かったかと言われれば別に…😅