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エターナル・サンシャインのxoのレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
3.0
チャーリー・カウフマンらしい作品。
マルコヴィッチの穴やアダプテーション、脳内ニューヨークにも通ずる「もしもシリーズ」。もしも誰かと過ごした記憶を消したなら。。

誰かに何かをするじゃなく、自分の記憶を消すってのが面白い。問題は解決しないし、状況はなんら変わらないというのに。心を楽にするための"忘れる"という究極の選択肢。

アイディアは面白いし、最終的に提示されるメッセージも良い。
相手のことを良いと思うも悪いと思うも紙一重。そのときの気分ひとつでしかなかったり。だからこそ、人間関係にとって寛容さこそが肝要って思わされる。
夢の中の主人公が、時間を逆行していくことで相手の良さに気づいていく様子は「ちょっと思い出しただけ」を想起。

ただ、カウフマンの他作でもそうだけど、シンプルなメッセージを引き出すために無理して複雑なやり方をすることにどこまでの意味があるんだろう。。髪の色の変化で時系列を整理するのとか、ユニークではあるけどかなり頭でっかち。

夢の世界のルール設定に合理性がなく、恣意的であることも引っかかり続けた。
記憶は自らの意志を持って動かせるの?
時系列が変わっていても二人の記憶は続いているのはなぜ?
本来は彼女がいない場所にも出てくるのはなぜ?
恥ずかしい記憶の中に行けば…、ってそんな都合いいの?
記憶が失われていく様子を可視化してるけどそんな単純な原理!?
全部、「夢の話だから意識が混濁してるんだ」の一言で言い訳できちゃうわけだけど、だからといって納得しがたい恣意性があるでしょ。。

ケイト・ウィンスレットは髪色の変化もだけど、冒頭のシーンからして行動が不自然で、しかもそれが何らかの理由があっての行動でもなくいたってナチュラルなものであって、、彼女のキャラクターの実在感のなさが物語への没入を妨げていた印象
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