大道幸之丞

エターナル・サンシャインの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

事前情報がなにもないまま観た。これは傑作だと思う。

一応はSFカテゴリで「恋愛記憶喪失もの」に入るのだろうか。

会社へ向かう電車待ち、発作的にそこから別のホームに走りモントークへ向かうジョエル(ジム・キャリー)。そこで出会ったのが、髪をブルーに染めた綺麗だがメンヘラ系の、しかしどこか愛嬌のあるクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)と出会う。深まり合う二人だが、バレンタインを前に別れてしまう。

謝りに彼女が勤務する書店にバレンタインチョコ持参で訪ねるジョエルだが、クレメンタインは彼を他人のような視線で受け止め、しかも若い男性の恋人も傍にいてこれ見よがしにキスを交わしたりされる。

傷つくジョエルだが、ひょんな事から彼女がジョエルとの記憶を施術によって削除した事を知り、自身も同じ施術を受ける事にする。

昏睡状態で施術を受けるジョエルだが、彼が振り返る記憶の中では活き活きとした彼女との日々がよみがえり、その苦しくも愛おしい日々を次第に「記憶から消したくない」と激しく抵抗する。ここで実はクレメンタインとの出会いはそもそもモントークではなく、それより以前の海辺のキャンプ・パーティーだった事も明らかになる。

そしてその過程で施術を行うラクーナ医院には企みや秘密を抱えており、それが次々と表明化する。

本作はまず作品が始まって18 分あたりでタイトルテロップが流れるので少々慌てる。

——二人は記憶を消すきっかけはお互いに相手の欠点が目立ちすぎる事からだったが、それより奥底の部分、本能的に惹かれ合っていることを再確認してしまう。ジョエルの消去されつつある記憶の中で葛藤しながら抵抗をする描写がいい。そして結論を言えば施術に打ち勝ってしまうのだった。

施術を忘れたお互いがカウンセリング中のテープを聞かせ合ってしまいせっかく元の鞘に戻りかけた関係に緊張が走るが、もう二人には「乗り越えた感覚」があり、相手を赦してしまうのだった。

確かに観るとジム・キャリーが主人公だわ、「タイタニック女優」のケイト・ウィンスレットもいるわ、キルスティン・ダンストも出てくるわで、「これ俺が知らないだけで有名な作品か?」と慌てたが、終わってみれば監督はミシェル・ゴンドリーだったという顛末で、観てよかったと思った