シズヲ

マルクスの二挺拳銃のシズヲのレビュー・感想・評価

マルクスの二挺拳銃(1940年製作の映画)
3.3
戦前期に活躍した伝説的コメディアン、マルクス兄弟によるお笑い西部劇。MGMでのシリーズとしては四作目みたい。古典のギャグなので今となってはそこまで笑えなかったものの、冒頭のハイテンポな詐欺とスリの応酬が示すように漫才的掛け合いのグルーヴ感はなかなか凄い。台詞皆無で身振り手振りによるギャグを披露するハーポが特に動的で楽しい。馬車に乗った一行が歌唱する下りなど憎めない場面も少なくなく、お約束と思われるピアノやハープによる演奏シーンは微笑ましい幸福感に溢れている。

ギャグのツボが外れたのもあって全体的にそこまで乗り切れなかったけど、終盤の機関車のシーンはべらぼうに楽しい。ドタバタ漫才とダイナミックなアクションを両立させた一連のシークエンスは実にユーモラスかつ活劇的で素晴らしい。走行中の機関車というギミックを徹底的に利用した小気味良いギャグの数々は最早カートゥーンの域。ハッピーなオチの清々しさも憎めない。
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