モールス

ウォール・ストリートのモールスのレビュー・感想・評価

ウォール・ストリート(2010年製作の映画)
3.0
前作「ウォール街」はゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)の逮捕で幕を降ろしました。本作は刑務所から出たゲッコーのその後の話です。
刑務所に入る前はウォール街のカリスマ的存在で、その復活劇は如何ようなものだったのっしょうか?

続編を作らないと言っていたオリバー・ストーン監督がサブプライムローン問題やリーマンショックの話題で金融実業界の映画を再度制作することにしたと聞いてます。世界中に騒がれるような事件があったので、それを描写するのには続編が良いと考えたようです。
本作はどちらかというと、スピンオフ作品とも言えるでしょう。ゴードンの金融の実業家としての腕前は相変わらずでしたが、愛娘ウィニー(キャリー・マリガン)との関係を再構築する人間らしい一面が見れました。前作の金儲け第一主義の汚いキャラクターとは違いがあります。人間にはお金よりも大事なものがある、疎遠になった娘との復縁はゴードンの悲願になりました。

もう一人の主人公は娘ウィニーの恋人ジェイコブ(シャイア・ラブーフ)です。ジェイコブは理想主義者の証券マンで、エネルギー開発への投資などビジネスに夢を求めてました。「ウォール街」のバド(チャーリー・シーン)のように野心家ではなく、その意味では作品全体に迫力不足を感じさせました。

やがてジェイコブからゴードンと接触があり、彼らが怨みを持つ共通の敵と闘うことになります。結末を大いに期待しましたが…。痛快な復讐劇ではなかったですよ。イマイチでした。

父娘関係の再生とビジネスの厳しさを同じ土俵の上で描写するのは無理があったようです。オリバー・ストーン監督失敗しましたかね?
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