ニクガタナ

ゆれるのニクガタナのレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
3.7
ゆれる橋、ゆれる想い、ゆれる状況、ゆれる証言、ゆれる判決、ゆれるカメラと共に信じるものがゆれていき、心がゆさぶられる、辛くて面白いヒューマンミステリーの傑作を再鑑賞。地方出身の都内で働く広告映像関係の田舎者として田舎の閉塞感などいろいろ共感。弟に色々任せて東京に出てきた身として身につまされることも多々ある。8mm好きとして知ってる映写機の登場にうれしい懐かしさを覚える。音楽こんなオシャレだった?初鑑賞時も感じたがとにかく役者の芝居に圧倒される。田舎を捨てた人気カメラマン役のオダギリジョーのイカにも具合が良し。情事の後の部屋に佇む真木よう子はいじらしいし、こんなに可愛かったっけ?直後の洗濯物畳む香川照之もいじらしい。気持ち悪さが一入。会話に潜ませたひっかけの小ネタが後から効く脚本がうまい。拘置所面会室での兄弟のやりとりが寒気がするほど怖い。2度観ても結局何が真実なのかよく分からないけど、香川照之の芝居の凄さだけは疑いようがない。伊武雅刀と蟹江敬三の兄弟模様も良かった。検察官役木村祐一のヤラシイ尋問にぞっとする。ピエール滝に新井浩文としばらく新作ではお目にかかれそうもないキャストのかつての名演に涙。
ニクガタナ

ニクガタナ