古き良き、無限の想像力によって形作られるラヂオドラマ。
しかし出来上がったのは我の強い登場人物たちが言いたい放題言った急ピッチで出来上がるその場しのぎのアドリブストーリー。
いやぁ良い作品に出会えました!
物語の大半が放送局の収録室という限られた場所で繰り広げられ、狭い空間故に進むテンポの早い会話がまったく飽きない!
決して円満な関係の人物たちではないものの、そのやり取りは程よく笑えるウィットに富んだ内容で常に物語を動かしてくれます。
そもそも生放送でのラジオドラマというかなり無理する内容ですからね、そのテンポの良さとドタバタ具合は相当なもの。
セリフが飛び交いスタッフが走り回りてんやわんやの激しい収録スタジオ。
その激しさ故か、一分に一回話が転がるといっても過言ではないほどのスピード感でありながら、ゆったりとした郷愁的な懐の深さも感じる作りです。
そして何より耳朶を撫でる俳優たちの声が心地良いのなんの!
ラジオドラマという声で表現する役なんでみーんないい声なんですよ!いつまでも聞いていたい声ってこういうものなんですねぇ……。
忙しく様々な思惑と我儘で塗り固められた忙しい物語ですが、観終わった後は清々しい笑顔が自然と零れてしまう作品でした。