Maoryu002

プライドと偏見のMaoryu002のレビュー・感想・評価

プライドと偏見(2005年製作の映画)
3.6
18世紀末のイギリスを舞台にした、父母と5人姉妹のベネット一家の物語。どこか達観した父と、娘たちを金持ちと結婚させようと躍起になる母親だったが、長女ジェーンと大富豪でのんきなビングリーが近づき、さらに金持ちだが鼻持ちならないダーシーは次女エリザベスと険悪になり、そこに軍人のウィッカムや教会勤めのコリンズも加わり、思いもよらぬ事態に陥っていく。

だいぶ遅れての鑑賞となったが、英国古典の優雅さや美しい風景は、すぐに「いつか晴れた日に」を思い出した。同じジェーン・オースティンの原作で、設定もよく似ているので、どうしても比較されてしまうだろう。
いずれも貴族の人間模様を描いた、優れた人間ドラマであることは間違いない。
誤解やすれ違いをきっかけしにて人間の本性が浮き彫りになるドラマであり、普遍的な愛を伝える物語だ。

映像という点では、オープニングの夜明けや、2本の大木の間に見えるベネット家の屋敷、ラクライマックスのツーショットなど、本作の美しさは際立っていたと思う。中盤、舞踏会での長回しでのカメラワークも素晴らしく、貴族たちの喜怒哀楽が混在する雑多さが伝わってきた。

役者もみんな好感が持てた。キーラ・ナイトレイはちょっと現代風な感じがしてしまったけれど、歯茎まで見せる独特の笑いは時代劇でも爽快だった。
足蹴にされたロザムンド・パイクが剃刀を持って復讐に走るのではとドキドキしたが・・・笑
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