カステラ

マッチ工場の少女のカステラのネタバレレビュー・内容・結末

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

アキ・カウリスマキの作品は『枯れ葉』が初めてだったが、その次に見るものとしてぴったりだった。大まかな話の流れや枠が同じなのに受ける印象は大きく異なるので。
アールネは中絶費用や「小遣い」を渡そうとするなど、クソ人間の中でもマシな部類のように思えるが、別の軸ではそうはしないクソ人間よりクソである。つまり人間の肉体や生命や人間性を他の何か(この場合は金銭で)で贖えると思っているかどうかという軸で。
事故のようにアールネと出会ったイリスが世の搾取アプローチへのカジュアルな事故として現れるラストが嫌でもあり悲しくもあり小気味良くもある。
『枯れ葉』でウクライナへのロシア侵攻が重低音となっていたように、第二次天安門事件のニュースや映像が挿入されている。大国の隣国としてのフィンランド。
鬱々とした暇の表現、つながりを求めるさもしさ(当然の事ではあるのだけど)
マッチを検品するイリス、マッチを軽々と使いタバコをのべつまくなしに吸う家族とライターで火をつけるアールネ
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