ブタブタ

忠臣蔵外伝 四谷怪談のブタブタのレビュー・感想・評価

忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994年製作の映画)
4.0
劇場で以来の再鑑賞。
キワモノ映画っぽいけど日本アカデミー賞とか取ってるのね。
民谷伊右衛門自体が架空の人物だし赤穂藩浪士だとか幾らでも設定出来るし、東海道四谷怪談・作者の鶴屋南北は所謂スターシステムや複数作品のクロスオーバーで作品を書いてて民谷伊右衛門も四谷怪談以外の鶴屋作品の忠臣蔵モノに登場するとか。

本作の宣伝美術、ポスターのひとつにクリムトの『接吻』が使われててCHUSHINGURAGAIDEN YOTSUYAKAIDANのタイトルに「あなたの接吻、血の味がする」ってコピー、そのポスターが凄くオシャレでDVDのパッケージとかはアレにして欲しかった。

夕暮れのシルエット富士山をバックに松竹映画のロゴに掛かるエクスカリバーでも使ってたカルミナ・ブラーナが鳴り響くオープニング。
百万人都市である大江戸・元禄の繚乱をタイトルバックで説明して赤穂藩取り潰し、その原因の松の廊下、浅野内匠頭切腹と展開が早い。
でも何か映像が当時のテレビ時代劇、必殺仕事人みたいで安っぽいのは仕方ないのか。
松の廊下・刃傷での浅野内匠頭=真田広之の多対一のアクションがモノ凄くて何でアレで吉良切れないんだ(笑)

本作を語る上で避けて通れないのは《高岡早紀のオッパイ》
AIによる作画で今pixivには多数の巨乳・爆乳画が発表されてますが高岡早紀さんのオッパイはそんな科学の利器、人類の文明の発展を嘲笑うか如きの巨大さ・形の良さ・迫力であり矢張り如何にAIとはいえ本物にはまだまだ敵わないと改めて思ったのでした(なんのこっちゃ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!)

最近ではすっかり『日本縦断こころ旅』の自転車の人の火野正平さんですが本作には四十七士・横川勘平で登場。
何か最近の映画で火野正平さんが《謎の偉い人》で登場するとその映画は当たりの確率が高い(『わたこん』もそうだった)

主人公である伊右衛門(佐藤浩市)が悪人なのか本当は善人なのかって部分が話しの展開上のせいかイマイチよく分からなく割りを食ってる。
お岩の呪いによる死には間違いないけど「いつ間にか」死んでる感じで幽霊になってからもそんなに活躍しない。

悪党として登場するお梅の伊藤一族が全員白塗りの不気味集団で登場シーンは寺山修司の前衛演劇か実験映画の様。
ただお梅(荻野目慶子)が啞で白痴の娘で別に何にも悪くないのに伊右衛門に切り殺されるのが哀れ。

クライマックスの吉良邸討ち入りでは殆どスタンド状態のお岩が超能力?吹雪で吉良軍をバッタバッタとやっつけていく。
悪役側にそんな悪辣な人間がいない中で一人気を吐くのが清水一学(蟹江敬三)
完全なサイコパスで講談では二刀流の使い手らしくヒャッハーと現れてお岩に超能力で屋根まで吹っ飛ばされてぶち殺される最後も見事。

お岩の特殊メイクが完全にゴム面貼り付けてるだけでそんなに怖くないのは仕方なし。
もしクライマックスの討ち入りで吉良軍側がゾンビ(理由は不明)で四十七士VSゾンビだったら5兆点映画だった。
確か新宿ピカデリーで見た。
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