抹茶マラカス

トゥルー・クライムの抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

トゥルー・クライム(1999年製作の映画)
3.1
イーストウッド作品っぽさと言ってしまえばそれまでだが、今回のキャラである記者は本当に人間のクズだし、その記者としての部分も指摘された通りマスターベーションと言われても仕方ない。しかし、構造上完全に彼がヒーローとして描かれている。「運び屋」でモロに反省したように感じた半生が割と直接的な役柄と言えるだろう。
 それと同様に、窮地に立たされた黒人を颯爽と救う白人ヒーローという構図がどうしても浮かび上がったまま、黒人に対する偏見的な描き方に強い違和感を感じる。過去の作品を現在の視点で批評するのはずるいとは思っても、それぐらい強めに出ている。
 構図上の差別意識を少なからず感じるのも、あまりにも荒唐無稽すぎるから。6年かかっても何も進展していない冤罪を12時間で解決するにしても、流石に説得力のない展開や証拠が出てくる。ミステリーとしてもレベルが低いと言わざるを得ない。