前半は無軌道な4人のチンピラぶりに感情移入が出来ず、笑える所も無く、このまま低空飛行で終わるのかとげんなりするのだが、中盤あたりからの盛り上がり、そしてラストへ向けての加速が見事。
当時ヒットしたというのも理解できる面白い作品。
チンピラキャラや夜の街の裏でうごめくはみ出し者たちの描写など、どこか既視感があったが、「ショートピース」「ハイウェイスター」のあたりの大友克洋の漫画の世界に大変よく似ている。
このキャラ達に、お間抜けで善良なバイト君などのコメディ要素を多めに入れると今作のテイストになるのだろう。
韓国映画なのに昭和の香りがするのはこのせい。
粗削りだったりコメディ要素の練り方が甘いのがマイナス要素。
人質となるスタンドの人たちのユルさはイイ味になっているが、もっと盛り上げられる、学校の不良との勝負とか、しりとりのパートはコメディとしては不発だろう。
観終わってから俯瞰で見ると前半の低迷が逆に後半の盛り上がりの助走として機能しているのが分かる。そこまで狙って作られたのかは疑問だが、偶然だとすると幸運だろう。
エンドロールでのその後の4人がハッピーエンドだが、刑務所の中で仲良くオラついているってのもアリかな。
って言うか、歌の上手いヨンガリ兄貴たちのその後も出してほしかったな・・・・
余談。
学校の不良と勝負させるパート。
一発パンチが当たっただけで、ヘタレになり上下関係が入れ替わるのは良いアイディア。
でもなぜその後ヨンガリ兄貴が来た時に同じシークエンスを使わないのだろう。
ヘタレになった学校の元ボス。ヨンガリ兄貴と勝負させられるが、これも兄貴に偶然パンチが当たるともっとヘタレに。
で、学校の元ボスがヨンガリの兄貴となる。
でも学校の元ボスはスタンドのバイト君の手下となっているのでここで上下関係が完全に逆転。
バイト君>元ボス>ヨンガリ
で、めでたくバイト君は街の不良のボスとなる。
ここまででワンセットのギャグでしょ。