桃子

悪霊喰の桃子のレビュー・感想・評価

悪霊喰(2003年製作の映画)
2.4
「邦題詐欺」

見終わってから、意味不明だったシーンをいくつか思い出してみるに、もしかしたらこの映画は続編を作る気満々だったのではないかと。それなりに面白かったのだが、どう考えても話が完結していない。もし続編ありきで作ったとしたら、なんとも悲惨なことだ。なぜなら、主演はヒース・レジャーだからである。まあ、他の俳優さんを起用するということもあるんだろうけれど(^_^;)
次に、邦題が最悪である。キリスト教で言うところの「罪」を食べてくれるサイキッカーが重要キャラだから「喰い」の部分は合っている。でもいくらなんでも「悪霊」を頭にくっつけるなんて安易すぎる。てっきり、悪霊を食べてしまう新種のエグい霊能力者が出てくるのかと思った。何か面白そうなホラー映画はないかなあと物色している人間に白々しく詐欺を働くなんざフテーやつだ。もっとも、あっさり詐欺にひっかかったアタシも悪いんだけどさ。
ロケーションも設定もストーリー展開も決して悪くはない。キリスト教の司祭が登場するホラーは大好物だし、ヒース・レジャー主演だし、これはイケるかなあと思ったのだ。「罪喰い」がまるでヴァンパイアのように不老不死になるというのもいけてるアイデアだ。ああ、それなのにそれなのに、なんてもったいない出来になっていることか!とにかく説明不足が多すぎる。冒頭の部分に出てくる男の子と女の子、あれはいったい誰(何)??最後まで全く正体がわからない。
ほんとにガッカリなホラーだったのだけれど、思いがけない俳優さんを見られて嬉しかった。枢機卿役がピーター・ウェラーなのである。大好きな映画「ロボコップ」でマーフィーを演じていた。すっかり歳をとっていたけれど、精悍な顔つきは変わっていなかった。重要な脇役で、存在感も充分にあった。彼もまた謎のキャラだったんだけど。「これで借りは返した」って、いきなりそんな台詞を言われても見ている方は意味不明だ。続編どころか前日譚まで作る気満々だったのかなあ。ピーター・ウェラーを見たせいか、久しぶりに「ロボコップ」を再見したくなってしまった。
監督さんは誰なのかとチェックしたけれど、知らない人だった。基本は脚本家のようである。「LAコンフィデンシャル」とか「ミスティック・リバー」の脚本を書いているのに… 脚本を書くことと監督をすることは全く別モノなんですねえ、と言わざるを得ない。
アマプラで「期間中100円!」のリストの中にあったので課金して見た。100円損したのかもしれない…
桃子

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