ユーライ

旅愁の都のユーライのレビュー・感想・評価

旅愁の都(1962年製作の映画)
4.0
宝田明はプレイボーイにも関わらず、女性を点数付けしたり他の男性陣も容赦なく平手打ちを発動させているのだが、俗っぽいメロドラマにも関わらず何故か気品を損なわないのがかつての日本映画の懐の深さを感じさせる。女性を能動的に描いていて、淡路恵子の佇まいが印象的。「抱いて」じゃないと出てこない色気もある。返還前の沖縄でロケが行われた観光映画でもあり、「沖縄」「ひめゆりの塔」など名所がテロップで表示されるのに笑ってしまう。ラストの駆け落ちは遠いまだ異国だった頃の沖縄イメージが反映されているんじゃないか。画面としてはオープニングから見本のようなモンタージュで端正、家屋の襖を境界線として活用している。最後の最後で宝田明の歌謡が寸断されて車が変な動き方をする。『卒業』的なあれか。
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