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子連れ狼 親の心子の心のtakのレビュー・感想・評価

子連れ狼 親の心子の心(1972年製作の映画)
3.5

 萬屋錦之介のTVシリーズはほとんど見ていないし、シリーズ4作目だから予備知識いるかと思ったが、柳生一族と拝一刀の対立を回想シーンできっちり説明してくれるので大丈夫。尾張藩の侍を次々と殺すお雪(東三千)。いきなり胸をはだけたお雪と侍のチャンバラから始まるプレタイトル。もう目は釘付け(笑)。遺族から彼女の殺害を依頼された拝一刀(若山富三郎)は、彼女の後を追う。お雪はかつて辱めをうけた尾張藩の孤塚円記(岸田森)に復讐すべく殺人を重ねていた。そして男を欲情させ怖がらせるために、胸に乳をまさぐる金太郎、背中に山姥の刺青をする。内田朝雄扮する彫物師が刺青のうんちくを語りながら墨を入れ、お雪の裸体の美しさを語る場面は緊張感が漂う。同じ刺青場面でも「スワロウテイル」とはえらい違いだ(比べるなっつーの)。狐塚との決闘シーン。バッ!と胸をはだけて狐塚がひるんだ瞬間にやっつけるんだけど、あの美貌なら別に彫り物しなくても男だったらひるむよなぁ・・・とも思いましたが(恥)。

 柳生の忍者が次々と一刀を襲うのだけれど、ここで出ました人体バラバラ!。仏像に身を潜めて待ち伏せしていた忍者を斬る!斬る!斬る!。手が飛び足が飛ぶのは当たり前。立っている忍者を稲刈りみたいに足首を残して斬り倒すところもあり、思わず笑いが出てしまう。この場面では「父母に会っては父母を斬り、仏に会っては仏を斬る・・・」と、「キル・ビルvol.1」でのナレーションと同様の文句が聞ける。切腹の介錯をする場面もあるのだが、切り落とされた首が転がり間をおいて胴体から血が噴き出す(タランティーノもこの間にこだわったらしい)。あぁこれこれ!と思わず口にしてしまう「キル・ビル」ファン。

 それにしてもこの頃のアクション時代劇って何でもありだったのね。大五郎の乳母車の前が開いてマシンガン!ドドドドドド!おおぉー!噂には聞いていたけど、面白ーい!マカロニウエスタンみたい!棺桶からマシンガン出すジャンゴだ!。クライマックスの大殺戮シーンでも爆破・マシンガン・柳生烈堂の片目が潰される・・・派手なアクションが展開される。斎藤監督は日活アクションものの監督らしいので、このあたりのスピード感は見事。だが原作のファンからは嫌われるところかもしれない。山村聰の娘を思う父親の心境も泣かせます。このシリーズ他の作品を観てみたくなった、ほんと。こりゃハマりますわ。
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