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ターミネーター4のシネラーのレビュー・感想・評価

ターミネーター4(2009年製作の映画)
3.5
シリーズ第4作であり、
シリーズ初の"審判の日"以降の
未来を舞台とした本作を再鑑賞。
全編通しての鑑賞は初見時以来だったが、
『ターミネーター3』以降では本作が
最も世界観が練られていると思った。

物語は2018年、
機械(ターミネーター)との
戦争の最中で抵抗軍ジョン・コナーは
父親カイル・リースの所在を知り、
人間と機械のハイブリッドである
マーカスと遭遇しながら
リースを救出しようとする内容となっている。
ディストピアな荒廃した世界観が良く、
SF戦争映画を観ているような
雰囲気はシリーズでも本作独特な
長所だと思った。
一体のターミネーターが主人公側に
襲いかかる展開だったのに対し、
本作ではターミネーターの
バリエーションが豊富にあり、
それでいて終盤では
シュワルツェネッガー顔のT-800登場
というファンサービスもあって嬉しかった。
又、シリーズ恒例の台詞や
過去作オマージュもあるのも楽しめた。
全体的に世界観もあってか
アクション場面も戦争映画染みており、
戦闘機等での場面も多かったが、
ターミネーター製造ラインでの
T-800との戦闘は状況も相まって良かった。

しかしながら、
本作の準主人公とも言える
マーカスの設定は良いものの、
キャラクターとしての普遍さや
中盤でのジョンとの対立する内輪揉め
が長くて微妙に感じられた。
加えて、マーカスがリースと
一緒にいた場面が多かっただけに、
ジョンとリースという親子対面の
感動が薄くて残念だ。
最後のマーカスの決断に関しても、
リースにとってはジョンよりも
マーカスを英雄視してしまう展開だと思った。

色々と批評されるシリーズ続編の中でも
異色作ながらも好きな映画であり、
元々の原題が
『Terminator Salvation』という
ナンバリングされた題名でもないだけに
番外編として面白い作品だと思った。
人と機械の違いには
人命を尊重する違いがあり、
それが人も人命を軽視してしまえば
機械同士の戦争と言えるかもしれない。
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