せた

東京物語のせたのネタバレレビュー・内容・結末

東京物語(1953年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

家族との向き合い方を考えさせられる映画。子としても親としても。
それにしても原節子さん美しすぎる、見惚れた。
以下気になったメモ

▶︎親に対しての娘の冷たさ・息子の無関心
表向きは優しさで熱海に泊まらせてあげたが、親の事を考えていない宿を選択する適当さ。
母が亡くなった後に、娘が「お父さんが先の方がよかったわねえ」
→平気で言えてしまう、残酷さ。
全て妹の意見に付き合う兄の無関心。

▶︎子どもたちの無関心を分かっている親
熱海から帰宅後に2人で話していて
父が「とうとう宿無しになってもうたの・・・」という言葉。子どもたちに会いに来たのにこの言葉が出る虚しさ

▶︎実子ではない義娘の優しさ
娘からの無理なオーダーも気にせず笑顔でもてなす紀子さん
→最高、ありきたりだが家族の繋がりとは血縁だけでない

▶︎夫を戦争で無くした紀子さんの葛藤
(紀子さんの部屋に母が泊まるシーン)
母「もう気にせずお嫁にいっていいんだからね?」
紀「いまのままがいいんです」
母「今はよくても年取ったら寂しくなるわ」
紀「いいんです、私歳取らないと決めてるんです」
その後寝床で泣く紀子さん
→せつない、、

(母が亡くなった翌朝)
父と同居している京子「本当に今日帰るの?(帰らないでよ。)それにしても兄さんも姉さんも本当に自分勝手。それで母さんのお形見欲しいなんて薄情よ」
紀子「大人になると親から離れるものよ。自分のことしか見えなくなるのよ」
京子「そんなの親子なんてつまらないわよ、いやあねえ世の中って」
紀子「そうよ、嫌なことばっかりよ」
→色んな無情を見てきた紀子の諦念

父「こちらは気にせず、いいとこがあればいつでもお嫁にいってくれ。いつまでも1人でいるとこっちが心苦しいのだよ」
のりこ「私、そんないい人間じゃございません、ずるいんです。いつもしょうじさん(亡くなった夫)を考えてるわけじゃありません。思い出さない日もあるんです。このまま1人だとどうなるんだろと思ってるんです。何か起きないかと思ってるんです」
→亡き夫への想いとこれからの人生への迷い、恐怖。ああ、紀子さん幸せになってくれ。


尾道の旧友3人で話した際「あるある」的な会話で息子を戦争で無くしたという話題が出てくるの、悲しい。
せた

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