矢吹

東京物語の矢吹のレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.5
あんな綺麗な涙ありますか。
心が洗われましたよ。

世間の顔と家庭の顔。
勉強机と空気枕と刺身。
親戚づきあいも世間。
おもてなしや関係性。
礼節を重んじるってのは改めて大事だなと。堅苦しさじゃなくて、親しき仲にも礼儀ありってやつ。
没個性とかじゃないからこれは。

自分も家族の一部みたいで、なおさら背筋が伸びる。正面のショットのせいかな。
やっぱり親って蔑ろにしてしまいがちなところがあるし。
あと襖の奥の景色とかが綺麗なんだよね。日本家屋。

子供ってのはおらなおらんでさみしいし。おりゃおるでだんだん親を邪魔にする。2つええものはないもんじゃ。

自分の生活になっていく。
嫌なことばっかり。
だんだんそうなっていくのよ。
いやね世の中って。

見た後はありがとの発音変わりがち。

反抗期のみのるくん。
子供って今しか見えてないよな。すごい気持ちがわかる。また今度が大嫌いなんですよね。
将来が見えてきたら大人かもね。
大きくなったら何になる。これも今にしか目がいってなかったりすると、仮面ライダーって言い出すからね。
周りの環境と自分の未来がなんとなく見えてきたら変わっちゃうのかなと思うと一生子供でいたい気もする。ちょっとだけ。

家族を描くのが上手いってなんだろうか。と、技術的なこととかは全く差別化も言語化もできてないけども、
映画監督が選ぶベスト映画は
日常の中でふと思い出すシーンがあって、そのたびに、心にそっとしまっておきたい映画だなって感じる。そういうものを美しく浮かび上がらせてくれるし、この感覚に繋がっていると嬉しい。
小津さんの他の作品も見ようか。

あんたは満足しとんのか?わしゃ悲しなってきた。
子供は親の思うようにはならんなあ。
こりゃ、世の中の親っちゅうものの欲じゃ。諦めなにゃらん。

明日のこと考えて飲む酒はだめだな。
切ないたらい回しが動かす切ない物語。

なかなか親の思うようにはいかんもんじゃ。


私は幸せでさあ。幸せな方でさあ。

いただきますとか、ごちそうさまでしたとかちゃんと言います。
そういうとこから。
温故知新。
矢吹

矢吹