矢吹

デューン 砂の惑星PART2の矢吹のレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.0
Power over Timothée is power over all
ティモシーを制するものは全てを制する。

Watch a movie. Or be part of one.
もちろん、IMAXでございました。

なんでこんなにずーっと退屈じゃないのか。
個人的に、話の筋で思い当たるのは、
かなり、歴史の趣、全開だったのがね、ワクワクさせられてました。好きなんだよね。
キャラクターと、見ている自分の関係性がさ、
教科書の偉人たちとの距離感なんだよな。
壮大な戯曲。人はいつか死ぬわけで、栄枯盛衰の大河を流れていくかのような物語。
感情を乗せたドラマよりは、見るものを圧倒するロマン。
語りかたも、記録を読んで回顧している文体だもんね。
パート1が、こんなにも始まりに過ぎないのかと。思った分、たっぷり続く。
単純に、ティモシーが、王の自覚を獲得していき、あわや闇堕ちを感じる孤高な姿は、フェチに突き刺さったし、ありがとうございます。
大好きな話の流れです。なんとなく、ギルクラとか、ヒロアカでもあったか最近。
そしてこれも、予言の中の約束された運命なのか、この宇宙は誰が回している世界なのか、しっかりと人間の小ささを際立たせる、広大な砂の海と、サンドワーム。

ほんで、言うまでもなく、物語をより高次元に映し出す最高の映像美。
SFの、映像、圧倒的な、もはやアニメな自由度を誇るVFXがここまできて、マーベルなども食傷気味な、疲れもある世の中で、
この、原点回帰である。という。
シンプルかつ、超弩級、そして、没入。
ビッグ砂漠。DUNE。
ごちゃつかない画面に、落ち着いた色味。
砂色の中の、青と赤。
モノクロ世界、黒い太陽、生き物が潰れたかのような花火。の独創。
サンドワームの使い方、浮遊感溢れるスーツの飛びっぷり、オリジナルメカを駆使したアクション、シールドならではの、すでに放たれたロケットと、爆発のラグ。
このDUNEの世界以外で見たことのないものたちで、ガッチリ構築されている。
あまりにも楽しい時間が流れっぱなし。

西暦1万190年。 10000年後の星に生きる人々を降臨させる、完璧なキャスティング。
ゼンデイヤ、モモア、ティモシー、フロピュー
ファンタジーの世界にいないと。本来おかしいキャラデザの人たちですからね。
モモアは今回出てきてないか。
お腹の中の娘ちゃんが、このメンバーの中で、まだまだ引っ張って今後登場するわけだけど、この世界観に負けないのかな、大丈夫なのかよって思ってたけど、余計すぎたというか、人類でこいつしかいないっていうお方でした。

さらに歴史物を際立たせる、王族の許されない恋愛と許されたプライド。
ティモを挟んだゼンデイヤとフローレンスピューの三角関係が見れるし、ゼンデイヤとティモシーのダンスも楽しめるとは、流石に聞いてねえや。とてつもない幸福。
舞台が砂漠なだけで、今最も美しい人々の恋がここにある。砂漠だから、むしろいい。

全てのバランスに煩悶。

1で語っていた、
生命の神秘は説くべき謎ではない
経験すべき現実、その過程にあれ。

これ、まだ先に出てくるってことね。
なんかすげえ好きだったのよね。
砂漠の力と、そこに生きていく人間たちの理にかなった思想。
哲学的な彼らの考え方は、2よりも今後か、もう終わってたか。
この先を見ることでしか確かめられない

ティモシーにしゃがみ込んで話しかけられたら、誰も何にもできない。不可避よ。
この体験が、1番映画館で見てよかった部分かも。
矢吹

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