矢吹

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章の矢吹のレビュー・感想・評価

3.9
3.27 destruction in 新宿 でございました。

あのちゃんと幾多さんを起用した方々にただただ頭が下がる。
確かに原作見てりゃ、まんまだなってなるんだろうなって、それ以外考えられないのかもしれないくらい、馴染みっぷり。
特にあのさんの圧巻のボクっ娘。
そもそものキャラクターも完璧に近い、
大人びた冷静さや青春に対する絶妙な力の抜け具合、高校生にして達観した物言いができた上に、そこにちゃんと笑える毒があって、世の中をしっかり斜めに見つつも、オタクならではの偏執や熱量を持ち合わせ、なんやかんや数少ない友人に対する面倒見は良いいし、周囲の状況をウィットに飛んだナンセンスかつ上質なギャグや一言でさらりとまとめる。
俺が中1女子なら、今すぐにこちらに方向転換してたと思う。かっこいいよね。
ちゃんと陰を落とす過去も持ち合わせてる
過去でいいのか知らないけれど。
もっというと、こういうアニメや漫画の世界から出てきた実写人間が、あのちゃんでもある。から、次元の反復横跳びっちゃ、そう。

幾多さんも、あの人ってさ、歌上手いもんな。
なんというか、明暗入り混じる、セリフの音程がすげえしっかりしてるなと、思った。バイアス上等だけれど、まるで違和感がなかったのが、ただすげえ。バラードも歌ってくれるというかね。
表現力だよ。

ほんでよお、なんかよお、実在の人物団体には関係ないのに、めっちゃ似てるんだよなあ。
日本の、remixというか、再構成というか。
戦争、国防、自衛隊、汚染、ウイルス、暗殺、メンバー、ロボット、インターネット
日本(浅野いにおディレクターズカット)じゃん。

頭いいのに情弱なのかな。とか。お母さんのスタンスとか、みんながインターネットで言ってる危機感とか。
世の中に対して、嫌味で持って嫌味を制する群像劇というか。
世界の1番外側から、斜め上の空から、もはや、UFOのような位置から、社会を見下ろして、綺麗事を許さない、人の本当の現実におけるくだらなさ、ドラマチックじゃない心理描写。いにおイズム。
これも、学校の先生よりも、本当の世界を教えてくれるかのような作品だから、その中毒性も程よく距離を取って欲しいよって、これ見たガキはそのへん気をつけた方がいいよ。って、
インターネットでみんなが言ってたよ。

UFO飛来から、3年後。っていう入り。
この恐ろしさが嬉しいことに、単なるスペクタクルじゃないからねえ。
気味の悪い不安と居心地抜群な日常が交互に思い起こされる。
前編と後編に分けたから、丁寧に描かれた女子高生グループの友情が、瞬間湯沸かしなんかじゃなくて、じっくりコトコト煮込まれる。
原作見れてないので。非常にいろんな展開も楽しめたし。
誰の正義。
悪意のない正義が暴走する。

プンプンしか見たことないけど、そん時の漫画まんまのイメージ通りのアニメーションで、
めちゃくちゃデフォルメされてるのに、近づくと生き物の質感がちゃんとあるという、浅野いにおさんの、あのフィルターまでバッチリあって、いい意味でめっちゃ怖かった。
そして人物が、人間臭いな、相変わらず。
あのラストの映像だって、流石に、アニメでも見た方がいいはずだからな。

世界における俺の役割。
そして、人類の意味。
宇宙の彼らは人格は一個と。
これ、人類が、現在SNSやインターネットを通して、モラルやルール、多様性という言葉によって、1つのあるべき人間が作り出させるという、人格統合への未来の話なんだって、帰り道一緒だった同級生が教えてくれた。

知ってるよ!!
矢吹

矢吹