Uえい

少女ムシェットのUえいのレビュー・感想・評価

少女ムシェット(1967年製作の映画)
3.5
ゴダールが編集した予告編がニクい。「田舎司祭の日記」と同じくジョルジュ・ベルナノスの小説が原作になっていて、今でいうヤングケアラーの少女が描かれる。

主人公ムシェットは貧しい家庭に生まれ、父は呑んだくれ、母は病に伏していた。そして、赤ん坊の弟の世話や家事から、バイトで家計も手伝っていた。そんな彼女は同級生たちを羨ましく思い、学校に反抗する。

ある日、学校をサボって森にいた所、大雨が降って帰れなくなってしまう。そして密猟者のアルセーヌに出会い、強姦される。家に帰ると今度は母が亡くなってしまう。そして彼女は森の中、湖に向かって転がり落ちるのだった。

ブレッソン特有のミニマルな演出で彼女の感情は読めない。悲しいのか、怒っているのか、力強い眼差しだけが存在しているのが印象的だった。画面から彼女が消えても、そこに何かが残ったままになっている様な感じすら覚えた。
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