少女ムシェットの作品情報・感想・評価

『少女ムシェット』に投稿された感想・評価

土星
4.0
行為が事象に還元されるような自由意志もクソもないモノクロ悲劇

ロベール・ブレッソンの作品は未鑑賞なのが2本であり、ついにこの少女ムシェットを見ることができた。 本作はブレッソン最後のモノクロ映像という手法をとっている。 この鬱屈とした感じが、イング・マール・ベ…

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Tomorrow we moveのアケルマンみたいな、Mouchetteのブレッソン
あれは血なんかじゃないただのペンキだというカラックスみたいな、涙なんかじゃないただの糊だというようなブレッソン
1990
-

あまりにも唐突で意図されたPOP感
音楽も人々の動きも機敏で激しいゴーカートのシーンに、いきなり横っ面を引っ叩かれたような気持ちになる
唯一幸福的な描写であるのに

辛さを辛さとして表出させないけれ…

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Lualdi
-

「いかなる動作も、われわれの内面を露呈させぬものはない(モンテーニュ)。しかし、動作がわれわれを露わにするのは、それが自動的な(意識の指令を受けない、故意でない)ものである場合だけだ」『シネマトグラ…

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Chang
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希望に燃えるコロンブスのうたを上手にうたわず、木靴をゴツゴツと鳴らして街を歩く孤独な少女ムシェット
もう充分
彼女自身が転落の方へと舵を切っていく姿は、絶望の中に希望をみた
4.0
ムシェットの悲痛な境遇に同情を感じざるを得ない一方で、物語が降るにつれ彼女に対する崇高の念が高まっていく作劇の妙。ブレッソンのフィルモグラフィ特有である周縁的な人物の力に溢れた作品だ。
4.0

小さい世界に突き放されている少女ムシェット。ブレッソンのいつもの突き放す演出によってもう見ているだけで辛い。家に帰れば病気で今にも死んでしまいそうな母と産まれたばかりの弟。下校中の同級生に泥を投げ付…

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盆栽
3.8

静かなる絶望

 
 ロベール・ブレッソン監督作品。わずか80分の短い上映時間の中で、社会の冷酷さと孤独に抗う少女の姿を圧倒的なリアリズムで描写する本作。言葉ではなく行動で語るブレッソンの毎度お馴染…

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3.7

冒頭の教会、十字架を切る所作、定期的に響く鐘の音などブレッソンでも特にキリスト教徒的な身振りが際立っている。
ムシェットが群衆の中に混濁していく前半は『スリ』並にドキュメント色の強いショットもあり、…

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