中盤までゆったりと進んでいるから眠かったけど、ペリーから日記を借りる場面を境に変わりました。そこからはペリーにどんどん共感していく一方で、作家の業と板挟みになっていくカポーティが内面から均衡を失っていく様が、ホフマンの名演もあって見逃せなかったです。
特に死刑直前にペリーやディックと再会し、内面と表面が崩れてしまったカポーティを体現したホフマンは怖くなるほど圧巻です。真に迫るものがあったって言えるぐらい、カポーティを肉体に宿したようなお芝居で、そりゃあオスカー主演男優獲るよと納得しましたね。
それにペリー役のコリンズJr.も鮮烈です。4人も殺した殺人犯で、死刑も確定するほどなのに、冷血な殺人鬼としてのイメージがジワジワと、通用しなくなってしまう…許されざる一個人を、あそこまで親近感を抱かずにはいられない、人間として存在させた表現に感嘆です。