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カポーティのアァーーーーーーのレビュー・感想・評価

カポーティ(2005年製作の映画)
4.1
1967年の映画「冷血」は素晴らしかった。

今でこそ"理由なき殺人"を題材にした映画や実話も多いが、「冷血」ほど、犯人の深層心理に入って、その理由を漠然と叩きつけてシンプルに終わりまで見せた映画は記憶にない。

最初、この「カポーティ」を見始めた時、主人公がどういう人物で、何をした人で、実在するのかどうかも分からないまま見てた。

そのうちになんとなくストーリーが見えてきて、前記の「冷血」の原作者なんだと知った。

映画「冷血」では語られなかった犯人の深層心理の部分が描かれていたり、
何より、この小説を書いた後、1冊も本を書けなくなり、ノイローゼになってアル中で死んだカポーティの「革命的挑戦」と「心中」が揺れ動きながらも、物語を完成させた苦悩がこれでもかと描かれている。

冷静を装い、疑いを嘘で塗り固め、死を助けるのも、死を宣告するのも自分の為。
だが、犯人は純粋な人間であった。

冷血、もう一回見直します。
アァーーーーーー

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