決まりきったルーティンの日々を、地味に生真面目に頑なに繰り返し繰り返し生きてきたであろうことがすぐに吞み込める冒頭。
しかし急転直下、彼女の人生崖っぷち。きわきわである。
失職し金もなく、
愛猫は死に、頼る人すらいない。
日常はサバイバルに。
明日も見えないルイーサの、なりふり構わぬたくましさよ。恐れ入った。
心閉ざしていた彼女のやがて変わりゆくさま。
ふつふつと沸き起こる可笑しみと愛しさ。
印象深いのはラストシーンのあの表情。
彼女にとっては大切なことを果たせたわけで、ようやく一息。根本的には何ら解決していないのだけど、そうして生活は続くのだ。虚脱した顔と、鮮やかな青空のコントラストが目に焼きついている。