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ノッティングヒルの恋人のkouのレビュー・感想・評価

ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)
3.0
《さわやかなラブストーリー》
ロジャー・ミッシェル監督、ジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラント主演。ロンドンの西部、ノッティング・ヒルを舞台にハリウッドスターの女優であるアナ(ジュリア・ロバーツ)と、書店を営むウィリアム(ヒュー・グラント)のラブストーリー。冴えないただの男と、スターである女性との恋愛を描いた王道の恋愛作品だった。

ストーリーとしては王道的で、ローマの休日のような身分の違うもの同士の恋愛を描く。特徴的だなと思ったのは、誰もが自分の足りないものを嘆いているということだ。映画中盤、食事のシーンで、ハリウッドスターであるアナでも、自分のことが不幸だと話す。人の幸福は見かけでは判断できないし、誰もが自分の足りないものを感じて嘆いているのだ。そんな彼らを癒すものとして愛が描かれる。

今作で一番良い味を出しているキャラクターはウィリアムの同居人のスパイクだ。センスのないTシャツから始まり、家での数々の行動に笑わされる。そしてそんな一風変わった男だからこそ、物語の終盤、アナとの交際を断ったウィリアムに、皆が気を使っている場面でウィリアムに正しいことを伝える。そこにぐっと来るのだ。

ドロドロとしたものもないとてもさわやかな恋愛映画だと思う。とても万人向けだし、あの有名な主題歌「she」の使われ方もとてもよかった。
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