この映画の良いところは、主人公のキキよりも年上の女性が、みんなキキに優しいところである。やさしさに包まれて少女が成長していく物語。
子供の頃の私は、この映画を観てとてもわくわくしたし、自分もあんな一人暮らしをしてみたいな、ホウキで本当に空を飛べないかななんて思っていたが、今になってみると、キキよりも周りの年上の女性の方に共感してしまう。あんな一生懸命な子がいたら、そりゃあ親切にしたくなるよね……。
先日金ローで久々に観たら「あれ? こんなにいい話だっけ?」と涙ぐんでしまったので、観る年代によっても感想が変わるかもしれない。とりわけ今回は、ウルスラの創作に対するセリフが胸に沁みた。
もしかすると、キキを見守る年上の女性たちのように、この映画を当時わくわくしながら観ていた私も、誰かが優しく見守ってくれていたのかも。今日だって誰かが見守っているかもしれない。そういう優しい誰かに気付ける映画。
余談だが、子供の頃の私はキキが携帯ラジオを持ってるのが羨ましく、その後好きになったゲームでも主人公が携帯ラジオを持ち歩いていたので、いつか私も買おうと思ってたんだが、私が大人になる頃には携帯ラジオは主流ではなくなってしまった。残念。
スマホでもラジオは聴けるけど、スマホじゃあの感覚は味わえないんだよ。