このレビューはネタバレを含みます
フジコ・ヘミングさんのこれまでの人生や、普段の生活の様子、コンサートの裏側を撮ったドキュメンタリー。フジコさんのことをもっと知りたいという方には迷わずおすすめしたい。
ピアノだけではなく、フジコさんは絵もお上手だし、ご自宅のインテリアはすごく凝ってて、洋服や衣装もお洒落で、この映画はそういった彼女の多才さが余すことなく撮られている。映画としての構成もよく、内容もわかりやすいので何回観ても飽きない。穏やかな気分になれる。
先日のフジコさんの訃報に衝撃を受けた人は、どうか最後の最後までこの映画を観てほしい。スタッフロールの手前で、フジコさんが『もし死んで、天国へ行くでしょう?』と、仮に自分が、あるいは誰かが亡くなった時の話をしているから。
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私は十代の時からフジコさんのファンなので、いつまでも訃報に落ち込んでいるわけにはいかないと、久々にこの映画を観ました。
最初は『この人はもうこの世にいないんだ』という喪失感が強かったけど、観ているうちに、彼女のピアノを聴くたびに感じた充足感がまさって、美しいものを愛する心だとか、何があってもくじけない心を、自分も大切にしていきたいと思いました。
ファンでいて良かったです。フジコさんのことは一生忘れません。