おーたむ

たまたまのおーたむのレビュー・感想・評価

たまたま(2011年製作の映画)
3.4
白状しますと、この作品は、完全に蒼井優を見る目的で借りてきました。
今年は山ちゃんとの結婚で話題になりましたが、私は彼女の出演作品で見たことあるのが、ほとんどチョイ役だった「ホノカアボーイ」だけだったので、一度しっかり見てみたいなと思いまして。

で、見てみましたが、最初から最後まで1アイデアを膨らませて出来たような作品、かつ、上映時間も一時間未満と短い作品だったからか、「映画を見た」という満足感はやや控えめでした。
監督さんがもともとCMのクリエイターだということもあってか、映画というよりもむしろ、日本郵政かどこかの長編CMと言われた方が納得いく感じです。
キャッチーで惹き付けられる反面、アイデアを深く掘り下げていく感じはあまりなく、見ごたえを期待するような作品ではなかったのかなと思いました。

ただまあ、今回の鑑賞の目的は蒼井優で、その点に関しては満足いく作品でした。
ふわふわと掴みどころがなく、奔放で、微妙に浮き世離れした彼女の魅力を、本作は上手く切り取っていたと思いましたから。
アイルランドという、現実と地続きのファンタジーを感じさせる舞台や、とても些細なモチーフから形作ったストーリーに、蒼井優の存在がミックスされて、可愛らしい作品になってたんじゃないでしょうか。

もちろん、自身を通してさまざまなイメージを投影できるというのが、女優・蒼井優の持ち味でしょうから、本作をもって彼女の魅力を余すことなく味わえるというもんでもないんでしょうが、少なくとも、被写体としての蒼井優の美しさは堪能できる作品だとは思います。
別に蒼井優のファンじゃないよという人にとっても、肩肘張らずにサクッと見られるファンタスティックな映像作品として、見るべきところはあるんじゃないですかね。
力を込めておすすめはしませんが。
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