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夕陽のガンマンのまるまるのレビュー・感想・評価

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)
4.0
のっけからリー・バン・クリーフ。
汽車に揺られてる。
聖書から顔覗かせてジロリw
停車する予定のない駅で、非常鐘鳴らして汽車を停める。
大騒ぎになってる乗客、車掌を尻目に
黒馬と共に颯爽と降り立つリーバンクリーフw
これですねーwマカロニウェスタンw
「アホ―!」の一言くらい言ってやれ車掌さんw
モーティマー(リーバンクリーフ)は賞金稼ぎ。
頭脳派の凄腕ガンマン。
相手に好きなだけ撃たせて、逆に狩り取ってしまう。
その姿は、さながら風車の理論で強敵を薙ぎ倒すアントニオ猪木。
かっこええw

続いてクリント・イーストウッド。
酒場でポーカーに興じる賞金首を無言で挑発。
目と目で会話する賞金首一味。
固まってく殺意。
このヒリヒリした空気!
これですわー、これこれw
僕がマカロニウェスタンに求めているのはw
有無を言わさぬ早打ちガンマン。
絶体絶命な状況から、一瞬の隙を見て一気呵成にたたみ込むモンコ(クリントイーストウッド)!
その姿は、ノーアクションからいきなりドラゴンロケットをブチかます藤波辰巳のよう。
ホント迷惑w


「夕陽のガンマン」は「荒野の用心棒」「続夕陽のガンマン」とでドル箱三部作と言われるそうですが、その中で一番カッコいいです。

なんと言っても、悪役がカッコイイ。
警備が収監してる囚人より多いんじゃないのってくらい守りの硬い監獄を、見事な手際で破る手下たち。
その目当ては、テーン♪
ソンブレロの下に、カッと見開かれる瞳、髭面の精悍な顔つき。
その名もインディオ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)我らがボス!
目力が違う。

インディオ一味が裏切り者を制裁するシーン。
これはマイウェスタン史(ほとんどナシw)に残る名ワルモノシーンでした。
ヒッドイわーこの男。
世界中のあらゆる罵詈雑言を並べたてても、まだ足りないくらいヒドイ。まさにド外道ofド外道s。
ただ、悪いだけではないんですよねー。
裏切り者の憎しみを煽るだけ煽った後、
拘束してるロープを切って
インディオ自らが一対一の決闘!
対峙する二人の顔を見てると、もう正義とか悪とかどうでもよくなっちゃう、この魔法w
絶対許せんわー!くらいの勢いで観てたのですが、そんな気持ちも雲散霧消。
ただ強い者が勝つ。弱肉強食、獣道。
これぞマカロニウェスタンの魔法ですねー。
やっぱ面白いw

手下たちがまた強くてタダモノじゃない。
荒くれ者達を一つにまとめるインディオ兄ぃの男気が光る。
正直、一匹オオカミでしかないイーストウッドもリーバンクリーフも、悪党の頭インディオが食ってた。
インディオ兄ぃカッコいいw


随所にセルジオ・レオーネ演出炸裂!
リーバンクリーフ、ドアップ!バキューン(音だけ)!更にドアップ!
そのバキューンはなんなんだとw
ラブコメ漫画なんかで、カワイコさんのカットにバキューン!って擬音が入ったりする元ネタはこれか?w
こんだけはっちゃけてくれると、すんごい楽しいです。
続きが気になってしょうがない。
こんな調子で最後まで行ったら、悶え死んでしまうわ!と思ってた中盤。

悪いモノでも食ったか?ってほど、突然インディオ兄いが冴えない。
その理由を回想シーンが埋めてくれるんだけど、これが凄まじい。
眼中にないって目されてますやん!
どころか、あんた誰?って勢いの目されてますやん!!
これ、何かの間違いじゃないですか??
インディオ兄ぃしっかりしてくれええええええええええ!!

驚いたw
WestWorldで再調整されたのかと思ったw
これぞ天下一品のツッコミ所。
これがあるから、やめられないw
この映画、ニューシネマパラダイスに出てきたような映画館で、満座の客と一緒にツッコミながら観てみたい!
そういえば、同監督の「夕陽のギャングたち」に繰り返し出てくる回想シーンも強烈だったなー。
ションション~♪

そんな映画でした。
一山いくら?状態のインディオ兄いw
サイコーw


インディオ兄ィは、その後きっと、世紀末覇王ラオウの中に生きてると思うし、
モンコとモーティマーは、さいとうたかお&小池一雄の傑作マンガ「無用之介」の中に生きてると思う。
日本のマンガは、かなりマカロニウェスタンに影響受けてますよねー、きっと。
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