Sari

ナッシュビルのSariのネタバレレビュー・内容・結末

ナッシュビル(1975年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2021/03/27 DVD

ロバート・アルトマンの群像劇の最高傑作と呼ばれる。
テネシー州ナッシュビルは、カントリー音楽のメッカで、1975年当時世界中からミュージシャンが集まった場所。音楽に加えて選挙活動も盛んな都市であり、成功を掴んだ、あるいは成功を夢見る登場人物たちは、州内で行われる大統領予備選挙で候補者への政権交代に向けた後援コンサートの舞台関係者や政治関係者との人間模様を織り成す。
劇中で、アメリカ歴代大統領アイゼンハワー、ジョン・F・ケネディ、ニクソンなどにも触れられる。1963年ダラスで暗殺されたケネディに触れることは、12年後であっても恐らくまだタブーの域であった事だろう。その後のジョン・レノン暗殺事件を受け、アルトマンはこの映画が世に与えた影響が少なからずあったのではとマスコミから問われたが、「私の忠告を聞かなかったのが問題」だと語ったそうだ。
相当な数のキャストが出演するため、冒頭から最後まで人物関係は何となくわかるものの、歌のシーンが多いドキュメンタリー調の演出につい見入ってしまう。歌手を夢見てナッシュビルにやってきたブロンドのショートカットの娘が、ああいう形で予想もせず夢を実現するのが皮肉。
フロリダ娘シェリー・デュヴァルがいつにも増して猛烈に個性的。
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