スウェーデンのミッドサマー(夏至)のお祭りはなんだかちょっとアレだったけど、古代アテネの夏至の夜は幻想的な妖精たちに彩られ、月明かりの森の奥で恋の魔法がかけらる。
オベロンの復讐
ティターニアの恋
キューピッドの矢から作られた恋の魔法
混沌と狂乱をもたらす妖精
悲劇の恋の行方
すべては夏の夜の夢のようであった
チェコを代表する人形アニメ監督イジー・トルンカ。かの川本喜八郎の師匠でもある。そのトルンカの最高傑作と名高いこちら『真夏の夜の夢』ずっと観たかった作品。
トルンカによって命を吹き込まれた人形たち。その動きのなめらかさはなめらかプリンを越え、幻想的な恋の熱狂にただただ酔いしれるばかりだ。魔法がかけられた夜の森と祝宴の演劇は、まるで夢の中にいるようだった。まったく、素晴らしいの一言に尽きる。
新作の製作途中で亡くなってしまったため、トルンカによるJ・R・R・トールキンの『ホビットの冒険』は企画倒れになってしまったと言います。もはや観ることができないなんて、ほんと、残念でならない。