ジャイロ

真夏の夜の夢のジャイロのレビュー・感想・評価

真夏の夜の夢(1959年製作の映画)
4.4
スウェーデンのミッドサマー(夏至)のお祭りはなんだかちょっとアレだったけど、古代アテネの夏至の夜は幻想的な妖精たちに彩られ、月明かりの森の奥で恋の魔法がかけらる。

オベロンの復讐

ティターニアの恋

キューピッドの矢から作られた恋の魔法

混沌と狂乱をもたらす妖精

悲劇の恋の行方


すべては夏の夜の夢のようであった


チェコを代表する人形アニメ監督イジー・トルンカ。かの川本喜八郎の師匠でもある。そのトルンカの最高傑作と名高いこちら『真夏の夜の夢』ずっと観たかった作品。

トルンカによって命を吹き込まれた人形たち。その動きのなめらかさはなめらかプリンを越え、幻想的な恋の熱狂にただただ酔いしれるばかりだ。魔法がかけられた夜の森と祝宴の演劇は、まるで夢の中にいるようだった。まったく、素晴らしいの一言に尽きる。

新作の製作途中で亡くなってしまったため、トルンカによるJ・R・R・トールキンの『ホビットの冒険』は企画倒れになってしまったと言います。もはや観ることができないなんて、ほんと、残念でならない。