モールス

カメレオンマンのモールスのレビュー・感想・評価

カメレオンマン(1983年製作の映画)
4.0
本作はコメディなのですが、大味ではなく緻密さにこだわってるのが実に味わいがありますね。
「カメレオンマン」とは周囲の人たちに似せて容姿を変えてしまう主人公ゼリッグのことです。周囲に合わせてしまい自分を抑えてしまうことが身に付き、自然とそれが外見的変化に出てしまう特異な体質なんですが…。日本人にしてみれば、自我を圧し殺す人が多い国民性だけに何だか皮肉めいてる感じがしてしまいます。
とにかく主人公ゼリックは気が弱く、自己防衛のために周囲に溶け込もうとするのです。
もう一つの本作の特徴は第二次世界大戦におけるナチスをネタにしたことです。監督がユダヤ人として自己を主張するところです。自己防衛と自己主張という相反する二つの事象をさりげなく描写してるのは感心するばかりでした。
ただ、自虐的な作品なので素直に受け入れられない部分もありましたが…。
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